ポリリズムことばとは
さて、いよいよ口で両方を同時に歌ってみましょう。
せーの……、ってできませんよね。 手と違って口はひとつしかありませんから、 「タカタ・タカタ・タカタ・タカタ」と歌いながら、 「タカタカ・タカタカ・タカタカ」とやることはできません。
そこで今回のメソッドの登場です。 名付けて「ポリリズムことば」。 どういうことかというと 「タカタ」とか「タカタカ」のような擬音だと どっちをどこで感じているかが分かりにくい訳です。 繰り返しているうちにリファレンスポイントを見失ってしまいます。 それを解決するため、日本語として意味のある文で歌ってみたいのですが、 以下のような条件の文がいいでしょう。
- 発音しやすい12音節からなる
- 12の音はすべて互いに異なる
- 3音節ずつ区切ったときに意味がある
- 4音節ずつ区切ったときにも意味がある
- 両文の意味が別々で同じ単語を共有していない
こういう条件を満足する文をいろいろ考えてみるのですが、 意外に難しいです。 回文やアナグラムが得意な人はぜひご自身のオリジナルのヴァージョンを考えてみてください。
タコスミカケギワクダモノ
本サイトでは以下のポリリズムことばを挙げてみます。
タコスミカケギワクダモノ
これは一体どういう意味だというのでしょう? 3音節ずつと4音節ずつに区切ると、 「タコス/ミカケ/ギワク/ダモノ」と「「タコスミ/カケギワ/クダモノ」 という謎めいた文がふたつ現れます。
まず、タコスの食品サンプルが置いてある状況を想像してみてください。 つまり「タコス/ミカケ/ギワク/ダモノ」は 「タコス/見掛け/疑惑/だもの」 見掛けのあやしいタコスを見ての一言です。
次に、フルーツバスケットの側にタコがやって来て、 いままさに墨を吐きかけようとしている様を想像します。 即ち「タコスミ/カケギワ/クダモノ」は 「タコ墨/掛け際/果物」となるわけです。 イカ墨ならぬタコ墨がいままさに果物に掛からんとする様ですね。
こういうふたつの奇妙なイメジを想像しながら、 「タコスミカケギワクダモノ」と繰り返し唱えます。 できるだけイントネーションをつけずにフラットに発音するのがポイントです。 これをやっているとそのうちに食品サンプルのタコスと、 果物に墨を吐きかけようとするタコの両方のイメジが 同時に脳内再生されるようになっていきます。
そうしたら、また練習トラックかコルンビアの音源に合わせて、 「タコスミカケギワクダモノ」を唱えてみましょう。 頭の中にタコスの画とタコの画と両方が同時に登場するようになってくるのを楽しみます。 最初はなかなかイメジをキープするのが難しいと思いますが、 慣れると出来るようになってきます。
明日に続きます!