クラーベを両方で感じてみる
ここまでくればずいぶんとポリリズム感が育ってきていることでしょう。
次は実践編、 クラーベのリズムを3拍子と4拍子の両方で同時に感じるトレーニングです。
3行目のリズムがいわゆる 6/8 のクラーベと呼ばれるもので、 これをストレートな4/4拍子に移行したものが次のクラーベです。 ワワンコなんかでお馴染のリズムですね。
さて、ではこの 6/8 のクラーベのリズムを感じながら、 全体を3拍子で感じたり4拍子で感じたりしてみましょう。
このトラックでは 6/8 のクラーベがずっと鳴っていますが、 その裏で4クラーベずつリズムの取り方が変化します。 これに合わせて「タコスミカケギワクダモノ」を唱えてみましょう。 そして、音源が3拍子でとっているときにタコスの画を、 4拍子でとっているときはタコの画を思い出しながら、 音源と逆の拍子を自由に感じられるように練習してみてください。 ここまで練習してきた方なら比較的簡単にできるはずです。
また、クラーベを手拍子しながらポリリズムことばを唱え、 感じ方をアタマの中でスイッチしてみましょう。 きっとしばらくすればクラーベの手拍子に合わせて タコスとタコが同時にアタマの中に共存できるようになります。
当たり前のことをあらためて確認しておくと、 クラーベ自体は一切リズムを変えないのに3拍子にも4拍子にもとれるのです。
メレンゲやサルサをバンドが演奏するとき、 それぞれの楽器奏者は全く違うパタンを叩きます。 しかも決まったパタンだけでなく、そこに即興的な変化が加わります。 それにも関わらずみなが一切ずれることなくタイムキープできるのは、 自分が叩いているフレーズとクラーベとの噛み合い方を理解しているからなんですね。 クラーベが全員のリファレンスポイントとなって、 どれだけ自由に演奏しても全体のアンサンブルが乱れないという仕組みになっています。 だからクラーベは実際に音として鳴っているかどうかとは別に、 ずっと身体の中に感じる指揮者のような存在ともいえます。
どんな曲でも3拍子化
さて、12のパルスからなる1小節を3と4の両方で感じるという練習は、 もっと実践的にいろんな音源に展開することができます。 メレンゲでもサルサでも他のどんな音源でも構わないのですが、 普通に4/4に感じられる曲に「タコスミカケギワクダモノ」をはめて唱えてみましょう。 3連符のノリを感じれば簡単にできると思います。 実際に3連が鳴っていなくても意識してそれを感じてみるのです。
こうするとこれまで練習した方法をつかって ほとんどの曲は3x4=4x3に感じることができるようになります。 街中で掛かっている凡庸な流行歌でさえ、 4拍子の曲が3拍子に感じられるというのはとても新鮮なことですね。
こういう遊びをずっとやっていると、 だんだん3拍子とか4拍子という感覚自体が薄れてきて、 自分が何拍子を感じているのかもよく分からなくなってきますが、 グルーヴに乗っている限り大丈夫です。 この感覚を掴むのがひとつのマイルストーンになるでしょう。
明日に続きます!