スピンの考え方
メレンゲパニックの主宰イヴェントおよび taco がスピンを担当する すべてのイヴェントでは以下のモットーを肝に銘じて選曲しています。
- リズムのある曲かつバイラブレな曲を掛けること
- 心ある音楽家たちが心を込めて作った曲を掛けること
- 1曲1曲が活きるように丁寧に並べること
- フロアの反応に傾注しヴァイブスを大切にすること
- ストーリィのあるセットリストを心掛けること
イヴェントのコンセプトやダンサの顔ぶれによってセットリストは柔軟に変化しますが、 どの現場であっても上記のモットーを大切にすることは変わりません。 以下はもう少し具体的な方針を紹介します。 なお、スピンについての概説的な考え方は 「メレンゲ入門」内の記事 でも詳しく議論しています。
ジャンルとリズム
メレンゲパニックでは特別なコンセプトなどがある場合を除いて、 ラテンオールミックスを基本にプレイします。 すなわち、サルサを中心として 適度にメレンゲ・バチャータ・チャチャなどを挟むというスタイルです。
ラテンの混淆文化を信じるメレンゲパニックとしては 排他的に特定ジャンルだけをスピンすることをよしとしません。 したがって、ここでのサルサは広義のサルサの謂で、 ロマンティカもドゥーラもソンゴもティンバもソンもみな含みます。 もちろんパチャンガもデスカルガもラテンジャズも、 場合によってはチャングイやルンバもサルサです。 細かいカテゴリ分けに神経質にならず、リズムがよいかどうかを重視します。 優れたミュージシャンの手になる素晴しい楽曲であること。 リズムがよく、フィールがあり、クラーベ(ポリリズム)と マンボ(コール・アンド・レスポンス)が感じられる楽曲はみなサルサです。
ちなみに、メレンゲパニックという名称ゆえにほとんどメレンゲばかりが掛かるのではないか、 と心配されることがありますが、 上の記事でも示しているように、 特別にメレンゲをフィーチャしたイヴェントでさえも サルサの方がメレンゲよりも多く掛かります。
ただし、信仰上の理由(?) から、 一晩に最低1曲はメレンゲを掛ける誓いを立てており、 まったくメレンゲレスになることはできるだけ避けたいと考えています。
踊りやすさ
また、同じくらい大事にしているのはバイラブレであること。 つまり、ダンサにとって踊りやすいということですね。
サルサの音楽は必ずしも踊る人のことを第一に考えてつくられているのではないので、 リズムはあるが踊りにくいという曲は多く、 むしろほとんどの名曲はダンサ目線では難曲といえるかもしれません。 それでもフロアには初級者や音楽に耳があまり開かれていない人もいますから、 名曲だからと難曲ばかり掛けるというのでは困ります。 リズムがよいかつバイラブレという条件になると一気にクレート候補は減りますが、 それだけベタ曲(フロアでのヘヴィロテ曲)の大事さが分かるというものです。
もちろん、ときどきは速い曲や長い曲を掛けることもあるかもしれません。 すべての曲をすべてのダンサが踊らねばならないということではないからです。 向かない曲の間はドリンクを注文したり、 お喋りしたりする時間に当てて欲しいと思います。 いろいろなスタイルや好みのダンサがいるフロアを観察して、 どのダンサにも楽しんでもらえる時間を順序よく回していき、 パーティをトータルに楽しむ手伝いをするのもセレクタの役割だと考えています。
並べ方
メレンゲパニックの選曲における最大のこだわりは並べ方です。 全体として意図のあるストーリィを持つようなパーティが素敵だと考えています。 例えば、ウォームアップに踊りたい曲、 メインで踊りたい曲、 シメの曲といったイメジでしょうか。 テンポや曲調や楽曲の年代なども考慮して、メリハリのある選曲を目指しています。
同じ曲でも前後関係やパーティのどのタイミングで掛かるかによって全く味わいが異なります。 フロアのヴァイブスによっても全く意味が変わってきますね。 できるだけ1曲1曲が一番美味しいタイミングで提供できればと思っていますが、 これはとても難しいミッションでもあり、毎回試行錯誤しています。
リクエスト
メレンゲパニックの主宰イヴェントでは原則的にリクエストは受け付けていません。 上に挙げたようなコンセプトを大切にしつつ、 個的なリクエストに応えられるだけの技量がないというのが実情です。 出来ないことを無理にしようとすると破綻するため、申し訳ありませんが、 ほとんどのリクエストには応えられません。